はじめに
「星が、降ってきます──」
人類が滅びかけた荒廃した未来。静かなプラネタリウムに取り残されたロボットと、ひとりの“屑屋”の出会いが、やがて胸を打つ奇跡へとつながっていく。
アニメ『planetarian 〜ちいさなほしのゆめ〜』は、Key制作の短編ビジュアルノベルを原作とした、全5話のオリジナルアニメです。
静謐でありながら深い余韻を残すその世界観と、人間の本質に問いかけるドラマに、涙した人も多いはず。
この作品は、決して派手ではありません。
しかし、確実に「あなたの心の奥底」に小さな光を灯してくれる――そんな作品です。
作品情報
- タイトル:planetarian ~ちいさなほしのゆめ~
- 放送形式:全5話(Web配信/2016年)+ 劇場版『planetarian〜星の人〜』
- 原作:Key/VisualArt’s
- 監督:津田尚克
- 制作:david production
- ジャンル:SF、終末、ヒューマンドラマ、感動
あらすじ(ネタバレなし)
戦争と環境破壊で滅びかけた世界。
生き延びるためだけに生きる男・“屑屋(くずや)”は、ある日、廃墟となったデパートのプラネタリウムで、案内ロボット・ほしのゆめみと出会う。
彼女は、過去にプラネタリウムを訪れたお客様として、屑屋をもてなそうとするが──。
星を忘れた世界で、“夢”を語り続けるロボット。
その無垢な心と、時に痛々しいまでの健気さに、男は次第に心を動かされていく。
そして、物語は静かに、しかし確かに、涙の結末へと進んでいく。
見どころ・魅力
■ わずか5話に詰め込まれた“宇宙的スケール”の感動
短編ながら、壮大なSF世界と濃密なヒューマンドラマを描ききった構成力は圧巻。
感情の波が、まるで星の光のように静かに、しかし確実に視聴者に届きます。
■ ゆめみの健気さと“純粋さ”に涙
彼女の言動は、ときに滑稽で、ときに危ういほどまっすぐ。
だがその姿は、忘れていた“人間らしさ”や“希望”を思い出させてくれる。
■ 廃墟と星の対比が生む、美しい映像詩
荒れ果てた世界と、美しい星空。
絶望と希望、喪失と再生が、映像演出と音楽によって静かに表現されます。
■ 劇場版『planetarian 〜星の人〜』とのつながり
TVアニメ版は“出会い”の物語。
その後を描いた劇場版では、屑屋の旅路の終着点が描かれ、より深い感動が待っています。
感想・評価
総合評価:★★★★★(5/5)
『planetarian』は、Keyらしい“涙と哲学”の結晶。
世界が終わっても、誰かが「夢」を語る限り、人は前に進める。
そんな希望の物語です。
日常に疲れたとき、優しさを思い出したいとき――ぜひ静かな時間に、一気見してみてください。
きっと、静かに泣けます。
こんな人におすすめ
- 感動系SFアニメが好きな人
- ロボットものに弱い人(人間性を描く系)
- 静かな感動を味わいたい人
- 『AIR』『CLANNAD』『イヴの時間』『プラネテス』などが好きな人
- 忙しい中でも“本物の物語”に触れたい人
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