『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』とは?
通称『デデデデ』。原作は浅野いにお氏による人気漫画で、2024年に前後編でアニメ映画化。
突如、東京の上空に“巨大なUFO”が現れるという異常事態が発生してから3年。世界は明らかに崩壊へと向かっているのに、人々は「慣れてしまった」。
そんな中で、ごく普通の女子高生2人が織りなす、“破壊されつつある世界での日常”が描かれます。
あらすじ|世界の終わりで私たちは生きている
物語の主人公は、仲良し女子高生の小山門出(カドデ)と中川凰蘭(オラン)。
彼女たちは、UFOが東京上空に停滞する異常な世界に生きながらも、日々の学校生活や恋、進路に悩む“普通の女の子”。
一方で、政府はUFOに対し軍事行動を強化し、「侵略者」との抗争が激化していく中、2人の周囲でも異変が起き始めます――。
見どころ①|“日常のリアル”と“SFの異常”の融合
『デデデデ』は、世界が崩壊へ向かう中でも人は日常を生きるという、非常に現代的なテーマを扱っています。
戦争、陰謀、情報統制、陰惨な事件…そんな“異常”が背景にあるにも関わらず、門出や凰蘭は普通に笑い、遊び、恋をする。
この日常と終末のアンバランスな描写こそが、本作の最大の魅力です。
見どころ②|会話とキャラの“ゆるさ”が愛おしい
門出と凰蘭の“女子高生らしいどうでもいい会話”が非常にリアル。
LINE風のやり取りや、独特なテンポの会話、内面のモノローグなど、浅野いにお作品らしい人間味あふれるセリフ回しが光ります。
観ているうちに、彼女たちの感情や葛藤が、まるで自分のことのように感じられるはずです。
見どころ③|映像・音楽・声優陣の完成度が高い
アニメーション制作はProduction +h。
背景の描写、都市のディテール、そしてUFOや兵器のデザインに至るまで、全体の完成度は非常に高く、劇場作品としてのクオリティを感じさせます。
さらに、声優陣には幾田りら(カドデ)、あの(オラン)といった意外性あるキャスティングも話題。
特に幾田りらの素朴で自然体な演技は、「門出らしさ」を見事に表現しています。
感想まとめ|“崩壊する世界”の中で、私たちは何を選ぶか
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』は、ただのSFや青春ものではありません。
現代社会の歪み、情報過多、無関心、理不尽、そして個人の幸せ――それらが繊細に描かれ、「自分はどう生きるか」を観る者に問いかける作品です。
一見ふざけたタイトルに反して、内容はとても深く、観たあとに余韻が長く残るアニメ映画です。
こんな人におすすめ
- 社会派SFが好きな方
- 日常×ディストピア系が好きな方
- 浅野いにお作品ファン
- エモくてちょっと不安な青春を味わいたい方
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